断乳大作戦

昭和的子育て

我が家の娘二人、小学校に上がるくらいまではおっぱいを触りながら寝ていた。
左は1号、右は2号、腕枕をした上に片乳ずつ提供。
仰向けに寝るとほぼスペアリブに梅干が乗っただけになってしまう私の乳も、娘達にとっては何物にも代え難い安眠グッズだった。

娘2号に授乳中だったある日のこと。
寝乳で2号を寝かしつつ、左乳はいつものように1号がさわさわ…。
すると突然、1号が親指と人差し指で乳首を摘まんだかと思うと、
ビヨ~ン!!! ビヨンッ!!! ビヨンッ!!! ビヨ~ン!!! とひっぱった。

そして…。

「おかあさーん!!! みてぇ~!!! ほぉ~ら、長いでしょう~!?♡♡♡」

確かに、長かった。
あんなに自分の乳首が伸びるなんて、超面白かった。
1号と一緒にしばらく乳首を引っ張ってはゲラゲラ。
噴き出す母乳すら、
「ほぉ~ら、乳芸だよぉ~!!」
と笑いのネタにした。

でもね、1号が寝てしまうと、ちょっぴり悲しくなったのよ。
改めて見つめる自分の乳首…。
散々もてあそばれて力尽き、しょぼーんと重力に従っていた。

「乳首ちゃん、いつもありがとうね。2人とも乳首ちゃんのこと大好きだから、もう少しよろしくね。」

私は自分の乳首にお礼を言った。

へんな人。と思ったそこのあなた。
何事も感謝は大事なのよ!!
日本人の特性は、謙虚さよ!!
自分の乳首といえども、お世話になっているものには感謝の気持ちを伝えるわ。

そんな私の乳首ちゃんは、私の気持ちに応えるように、2号が3歳になるまで頑張ってくれた。
1号もおっぱい大好きだったけど、2号を妊娠した時点で断乳しないといけないじゃない?

泣く泣く断乳したわよ。
おっぱいに鬼の絵を描いたり、「もうおっぱい出なくなったよ」と言ったり、「おっぱい痛い痛い」などと言ったり。
どれもこれも、ことごとく失敗したわ。
そして最終的に成功した方法は、私のおばあちゃんが飲んでいた“我神散”という苦い薬を乳首に塗るという荒技。
「おかあさんのおっぱい、からい…。」
と茫然とする1号。
かわいそうだったわ…。
上の子のさだめよね…。

そして2号。
離乳食の時期になっても、母乳以外の物を口にしようとしない。
あれこれ試して唯一口にしたのが白米。
まだ重湯かお粥を食べないといけない時期に、普通に炊いたご飯しか食べない。
そしてひたすら母乳。
この時知った。
食べ物の好き嫌いは親がちゃんと躾をしなかったせいだって言われるけど、生まれつきの食わず嫌いが存在することを。
不安になって、乳児検診の時に相談したわよ。
「どんな工夫をしても食べないんです…。」
そしたら、意外な答えが小児科医から返って来た。

「えー!!! ほぼおっぱいだけでここまで大きくなったってこと!? すごいね。
 あのね、ちゃんと体重も増えてるから、おっぱいだけで問題ないですよ。
 お母さんが好き嫌いせずに何でも食べてたら、栄養バランスの良いおっぱいが出ますから!!」

えー!!!!!
超ラッキー!!!!!

ってことは、無理して離乳食を作る必要ないってことでしょ!?
ってことは、私が2号の分まで食べまくって乳を出せばよいってことでしょ!?
ってことは、食べても食べても太らないってことでしょ!?

あの幸せ。

お言葉に甘えて食べまくり出しまくりの2年間。

でも、さすがに2歳を超えてしばらくし、断乳しようと試みたことがある。
その頃には母乳と白米以外の物も食べられるようになってたから。

1号の時と同様、鬼も痛い痛い作戦も失敗…。

・・・んー(-_-;)
・・・かわいそうだけど、やっぱり我神散しかないか…。

黄色い粉をふんわりとまとった乳首を、嬉しそうに頬張る2号…。

・・・あぁ…。
・・・ごめんね…。

嬉しそうな2号の顔が、一瞬で固まった。
眉間にしわが寄る。
固まったまま数回まばたきをする。

・・・ごめんね…。
・・・苦いよね…。
・・・早く離しなさい…。

ここから私はおったまげた。
なんと2号、そのまま口を離すことなく、気合で飲み続けた。
傍で見ていた母、大爆笑。

「すんごい根性!!!!!」

この出来事を近所のおばちゃんと話していると、そのおばちゃんが言った。

「小学校に行くようになってもおっぱい飲む子はいないから、好きなだけ飲ませてやれば?」

ピュアホワイトな私。
その言葉を、そのまま受け止めてそのまま実行した。
だから2号は3歳半くらいまで母乳を飲んだのよ。

心ゆくまで母乳を飲んだ2号、精神的にはかなり満たされていたはず。
でも、まずいことも…。
3歳って、もう歯が生えてるじゃない?
前歯が乳首の形に溶けちゃったのよ…。
母乳って相当甘いのね。
ハミガキの後の寝乳が原因ね…。
ま、どうせ乳歯だし、すぐ抜けるからって気にしなかった。

でも、2号が笑う度に、私の乳首実物大が他人様の目に入るじゃない?

「本当はこんなに大きくないんです!」
「今は授乳中だから仕方ないんです!」
「本当はもっと小さくて可愛らしい乳首なんです!」

って、回覧板を回したい気分だったわ…(-_-;)

さて、そんなおっぱい大好きだった娘2人も成人し、おっぱいの世話になどなっていないかのような一端の口をきくようになった。
そんな時は、上半身裸で娘を追いかけまわすことにしている。

私に盾つくなんて100年早いわ。
勝ちたければ私以上の必殺技を生み出すことね~

コメント

タイトルとURLをコピーしました