妊婦のピンチ

妊婦

あれは、臨月の暑い夏の日だったわ…。

すでに産休に入っていたものの、どうしてもやらないといけない仕事がある日は出勤していた私。
予定日を1週間後に控え、腹帯のせいで汗疹だらけの腹の皮はパッツパツ。
ただでさえ苦しいのに、当時の職場のトイレは和式。
臨月で便秘気味だったのに、こともあろうに職場でうんこちゃんの兆しが…。
背に腹は代えられない。
やっとの思いでしゃがんで、「んんん~~~(-“-;A …」

・・・おっ、出るか?

数日間出ていなかったうんこちゃんは、私の中で成長していたのね…。
子宮口ではなく、肛門が3㎝ほど開いた。
なんで3㎝って分かるかって?
触って確かめたからよ。
経験したことのない開きっぷりだったからね。
ところが、いきめどいきめど、頭が出て来ない!

「ひっひっふぅー、んんん~~~(-“-;A …」

しばらく頑張ったけど、どうしても頭が出ない。
別の頭が出たら困るから、諦めることにした私。
兆しはあるけど仕方ないか…。
さ、パンツを履いて…。

・・・ん?(-_-;)
・・・ええー?(◎_◎;)

肛門が閉まらない。

うんこちゃんは出もしないけど、引っ込みもしない。
肛門から顔だけ覗かして微動だにせず。
許されるなら図に描いて説明したいくらい。

・・・どうしよう(-_-;)
・・・一刻も早くうんこちゃんをほじくり出さなければ…。
・・・と、とにくか洋式トイレに行かないと…。

人間、肛門が3㎝も開いていると、まともに歩けないらしいわ。
必死のパッチで職場の玄関まで辿り着いた私の目に映ったのは、会社の自転車。

これだ。

歩けないんだから、乗るしかない。
9ヵ月ぶりだけど…。
よし…。

「いったーいっっ(;゚Д゚)」

開いたままの肛門は、内臓むき出しとほぼ同格。
痛くてサドルに座れない。

・・・どうしよう…。
・・・早く洋式トイレ…。

そうだ。

座れないなら立ち漕ぎしかない。
9ヵ月ぶりだけど…。
よし…。

真夏の街を、臨月の妊婦が自転車を立ち漕ぎして爆走。
何人もの人に二度見されたけど、照れてる場合じゃない。
こっちは肛門が開きっぱなしなのよ。
なのに、急いでいる時に限って赤になる信号。
閉じない股で地団駄を踏みながら汗だくで信号を睨みつける妊婦に、見知らぬおばちゃんが一言。

「大丈夫?」

「妊婦が自転車なんか乗っちゃダメって常識でしょ?」的な眼差し。

あー、知ってますとも。
でもね、私にはね、のっぴきならない事情ってもんがあるんです。
肛門がね、閉まらないんですよ。
歩けないんですよ。
自転車に乗るしか助かる方法がないのですよ。

そんなわけで、教訓。

臨月の妊婦が自転車を立ち漕ぎすると、見知らぬおばちゃんと知り合いになれる。

私の肛門のその後が知りたい方がいたら、説明してあげてもいいわよ~



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